金価格は前回のレポート以降わずかに上昇したものの、市場は依然として積極的に買い上げることに慎重な姿勢が見られます。本レポートでは、現在金価格の方向性を左右すると見られている市場の期待感、今後発表される米国の主要経済指標、そして地政学リスクについて確認します。最後にゴールドの4時間足チャートに基づいたテクニカル分析を掲載します。 新FRB議長の発表は間近か 前回のレポート後、トランプ大統領は日曜日に記者団へ「誰を選ぶか分かっている。もうすぐ発表する」と述べました。ホワイトハウス国家経済会議(NEC)委員長のケビン・ハセット氏が現時点で最有力候補として浮上しています。 ハセット氏はFRBの金融政策方針に関してトランプ氏と近い立場を取ってきたことから、市場では来年の利下げ観測が一段と強まったと考えられます。したがって、ハセット氏が来年のFRB議長に正式に指名された場合、そのハト派的な姿勢によりドルの重しとなり、逆相関関係にある金価格の押し上げ要因になる可能性があります。 米PCE物価指数は金曜日発表 米国の9月PCEデフレーターは、金曜日に発表されることが確定しており、市場参加者の大きな注目を集めています。年内最後のFOMC会合まで2週間しかないため、今回のPCE発表は通常よりも市場の変動を引き起こす可能性があります。 LSEGのデータによる市場予想では、下記が見込まれてます。 もし予想どおりインフレ加速が確認されれば、FRBは年内据え置きを維持する圧力が高まり、ドルは強含みやすく、金価格には下押し圧力となる可能性があります。逆にPCEが予想を下回る場合、金には追い風となるでしょう。 地政学リスクも注目…